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Ionic Liquid III―Challenges to Nano-Bio Sciences―
イオン液体III―ナノ・バイオサイエンスへの挑戦―
- ポイント
- 好評のイオン液体シリーズ待望の第3弾!
- 進化し続けるイオン液体研究の新潮流は今ナノ・バイオサイエンスの領域へ!
- 水系溶媒にはない特異な機能を利用したチャレンジングな研究開発の最新動向!
イオン液体に関する本書シリーズも第3弾となった。第1弾は2003年2月に発刊した「イオン性液体―開発の最前線と未来―」である。第2弾は「イオン液体II―驚異的な進歩と多彩な近未来―」を2006年3月に発刊した。これらはいずれもイオン液体が我が国において注目され始めた頃に発刊され、指導書的な役割を果たした。イオン液体の研究も予測通り多彩になり、既刊の2冊で扱った範囲を飛び超えるものも散見されるようになってきた。また、急速に増えてきたイオン液体の研究領域に「バイオとナノ」という2つのキーワードが関連するようになってきた。
九州大学の後藤教授、鳥取大学の伊藤教授などは、初期の段階からバイオサイエンスへの展開を積極的に進めており、優れた興味深い研究成果を出している。これらの先進研究者に牽引されるかのようにバイオ分野へのイオン液体の進出は目覚ましく、「水だけがバイオサイエンスの溶媒ではない!」と言う潮流も見られるようになってきた。海外では米国コロラド大学のRogers教授がいち早くバイオマスから直接セルロースを抽出する報告をした。
しかしながら、世間一般の常識ではバイオサイエンスはまだまだ水を使った研究領域である。ナノサイエンスも然り、水という扱いやすい溶媒を使って集合現象などが解析されている。しかし、ナノレベルの物質はバルクの物性を示さない。そのような材料は分子性液体中では安定性に欠けることが多いのに対し、イオン液体中では特異的な挙動をする。これらについて総合的に議論された機会は今まで無かったと思う。ナノサイエンスからの切り口もイオン液体の新しい特徴を引き出すのに有力であろう。
本書「イオン液体III―ナノ・バイオサイエンスへの挑戦―」は、これから大きく花開くであろう“イオン液体の新分野への進出”の先駆けをまとめたものである。
本書の中から現在の常識にとらわれない研究・技術の“新芽”を見つけ出してもらいたい。
(「はじめに」より抜粋)
2010年1月 大野弘幸
監修
著者
| 藤田恭子 | 東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 日本学術振興会特別研究員 |
| 大野弘幸 | 東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 教授 |
| 鍵本純子 | 東京農工大学 大学院工学府 生命工学専攻 日本学術振興会特別研究員 |
| 河野雄樹 | 東京農工大学 大学院工学府 生命工学専攻 |
| 深谷幸信 | 東京農工大学 大学院工学府 生命工学専攻 特任助教 |
| 津田哲哉 | 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻(兼 高度人材育成センター) 助教 |
| 桑畑 進 | 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 |
| 永塚智三 | 横浜国立大学大学院 工学府 機能発現工学専攻 |
| 上野和英 | 横浜国立大学大学院 工学研究院 博士研究員 |
| 渡邉正義 | 横浜国立大学大学院 工学研究院 教授 |
| 岡崎健一 | 名古屋大学 大学院工学研究科 結晶材料工学専攻 助教 |
| 鳥本 司 | 名古屋大学 大学院工学研究科 結晶材料工学専攻 教授 |
| 片山 靖 | 慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 准教授 |
| 中嶋琢也 | 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 助教 |
| 成田麻子 | (財)京都高度技術研究所 京都市地域結集型共同研究事業 研究員 |
| 中條善樹 | 京都大学大学院 工学研究科 高分子化学専攻 教授 |
| 一川尚広 | 東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻 |
| 加藤隆史 | 東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻 教授 |
| 高橋憲司 | 金沢大学 理工研究域自然システム学系 准教授 |
| 佐藤敏文 | 北海道大学 大学院工学研究科 准教授 |
| 上村明男 | 山口大学 大学院医学系研究科 応用分子生命科学系専攻 教授 |
| 下条晃司郎 | (独)日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 研究員 |
| 後藤雅宏 | 九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 教授 |
| 中村暢文 | 東京農工大学 大学院工学府 生命工学専攻 准教授 |
| 伊藤敏幸 | 鳥取大学 大学院工学研究科 化学・生物応用工学専攻 教授 |
| 藤田正博 | 上智大学 理工学部 物質生命理工学科 助教 |
| 陸川政弘 | 上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教授 |
目次
- はじめに―ナノ・バイオサイエンスとイオン液体は共存できるか?―(大野弘幸)
- 【第I編 ナノ・バイオサイエンス領域に要求されるイオン液体】
第1章 極性溶媒としてのイオン液体(藤田恭子、大野弘幸) -
1. はじめに
2. ナノ・バイオサイエンスと溶媒
3. イオン液体の極性
4. おわりに - 第2章 イオン液体・水混合系(藤田恭子、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. イオン液体を成分とする混合溶媒
3. イオン液体と水の親和性
4. 水混合系の物性変化
5. おわりに - 【第II編 ナノ・バイオサイエンス研究を支える次世代のイオン液体】 第3章 アミノ酸イオン液体(鍵本純子、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. アミノ酸イオン液体の合成
3. アミノ酸イオン液体の物性
3.1 イミダゾリウムカチオンを有するアミノ酸イオン液体
3.2 ホスホニウムカチオンを有するアミノ酸イオン液体
3.3 アミノ酸イオン液体の極性
4. アミノ酸イオン液体の応用
4.1 CO2キャプチャー
4.2 アミノ酸イオン液体を用いたα-アミノ酸-N-カルボキシ無水物の合成
4.3 アミノ酸イオン液体を用いた触媒反応
4.4 キラルセレクターとしての応用
5. おわりに - 第4章 疎水性アミノ酸誘導体塩・水混合系の相転移挙動(河野雄樹、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. 疎水性アミノ酸誘導体塩
3. 温度変化により相状態を制御できるアミノ酸誘導体塩・水混合系
4. おわりに - 第5章 シス/トランス異性化におけるイオン液体・水系の相転移挙動の制御(深谷幸信、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. 熱物性・極性
3. 水混合液における相挙動
4. おわりに - 第6章 バイオイオン液体―天然化合物から生理活性物質まで―(深谷幸信、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. 天然由来のイオン液体
3. 生理活性物質を成分とするイオン液体の設計
4. おわりに - 【第III編 ナノサイエンスとイオン液体】
第7章 イオン液体中のナノ材料の電子顕微鏡観察(津田哲哉、桑畑進) -
1. はじめに
2. 電子顕微鏡によるイオン液体の観察
3. イオン液体中における電気化学反応のin situ SEM観察とEDX分析
4. おわりに - 第8章 イオン液体中のコロイド粒子の自己集合(永塚智三、上野和英、渡邉正義)
-
1. はじめに
2. コロイド粒子分散系
3. イオン液体中におけるコロイド粒子の振る舞い
4. 高分子鎖の立体反発効果によるコロイド分散の安定化
5. コロイド濃厚系におけるソフトマテリアル
6. コロイド粒子間の引力を利用したソフトマテリアル
7. コロイド粒子間の斥力を利用したソフトマテリアル
8. まとめ - 第9章 イオン液体を用いた金属ナノ粒子の合成・固定化と機能材料への応用(岡崎健一、桑畑進、鳥本司)
-
1. はじめに
2. イオン液体を用いる金属ナノ粒子の合成
3. イオン液体へのスパッタ蒸着による高純度金属ナノ粒子の合成
4. イオン液体中に分散した金ナノ粒子の固定化と電極触媒への応用
5. 石英基板に担持した金ナノ粒子薄膜の光電場増強場としての利用
6. おわりに - 第10章 イオン液体からの金属電析とナノ粒子の生成(片山靖)
-
1. はじめに
2. TFSA-系イオン液体への金属イオン種の導入
3. 金属イオン種の酸化還元電位
4. TFSA-系イオン液体からの金属析出
5. おわりに - 第11章 イオン液体におけるナノ〜マイクロ界面の創成と利用(中嶋琢也)
-
1. はじめに
2. イオン液体中における分子集合体の形成とナノ界面の導入
3. イオン液体中における半導体ナノ結晶の安定化
4. イオン液体の液-液界面を利用したマテリアル作製
5. おわりに - 第12章 イオン液体修飾ナノコロイドの医療分野への応用(成田麻子、中條善樹)
-
1. はじめに
2. ナノ粒子の表面修飾技術
2.1 表面修飾による化学的性質導入の意義
2.2 表面修飾の方法
3. イオン液体の修飾とナノ粒子の挙動
3.1 金ナノ粒子
3.2 酸化鉄ナノ粒子
4. 医療分野への応用
4.1 ナノ材料の有用性
4.2 有機塩修飾ナノ粒子のイメージング材料としての評価
5. バイオセパレーションへの応用
6. まとめ - 第13章 イオン液体のナノ構造制御と機能化(一川尚広、加藤隆史)
-
1. はじめに
2. イオン液体のカラムナー液晶化
3. 一次元イオン伝導性ポリマーフィルムの開発
4. イオン液体と液晶分子の超分子的組織化
5. おわりに - 【第IV編 バイオリファイナリーを支えるイオン液体】
第14章 極性イオン液体の進化(深谷幸信、大野弘幸) -
1. はじめに
2. カルボン酸アニオンを用いた物性改善
3. リン酸誘導体アニオンを有する高極性イオン液体
4. カチオン構造が及ぼす効果
4.1 カチオン基本構造の影響
4.2 カチオン側鎖構造が及ぼす効果
5. おわりに - 第15章 イオン液体を用いた天然バイオマス処理(深谷幸信、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. イオン液体を用いたバイオマス処理
3. リン酸誘導体塩を用いたバイオマスの省エネ溶解
4. おわりに - 第16章 イオン液体を溶媒とするグルコース生産(深谷幸信、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. 酸加水分解によるグルコース生産
3. イオン液体を用いた前処理
4. イオン液体中での酵素加水分解
5. おわりに - 第17章 イオン液体クロマトグラフィーの開発(深谷幸信、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. イオン液体及び測定サンプルの作成
3. HPILC装置のセットアップ
4. HPILCを用いたモデル解析
5. セルロースのHPILCモデル解析
6. おわりに - 第18章 イオン液体を用いた糖質化学の新展開(高橋憲司、佐藤敏文)
-
1. はじめに
2. イオン液体中での糖類のマイクロ波加熱による無水糖の生成
3. 無水糖の重合によるハイパーブランチ糖鎖ポリマーの調製
4. イオン液体部位を有するハイパーブランチポリマーの合成と相転移挙動
5. まとめ - 第19章 イオン液体中での高分子の脱重合(上村明男)
-
1. はじめに
2. 合成高分子の解重合
3. セルロースの解重合反応
4. リグニンの解重合反応
5. おわりに - 【第V編 バイオサイエンスへの展開】
第20章 イオン液体中への酵素の導入(下条晃司郎、後藤雅宏) -
1. はじめに
2. PEG被覆酵素
3. PEGによる酵素の化学修飾
4. 酵素包括固定化ゲル
5. クラウンエーテルによるタンパク質超分子錯体
6. 逆ミセルによる酵素の固定化
7. おわりに - 第21章 化学修飾による酵素の改変(中村暢文)
-
1. はじめに
2. 酵素の化学修飾
3. イオン液体中への化学修飾酵素の導入およびイオン液体中での酵素の構造
4. 化学修飾酵素の電極上への固定化
5. 低極性のイオン液体への酵素の溶解
6. おわりに - 第22章 タンパク質の新たな溶媒―水和イオン液体―(藤田恭子、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. 水和イオン液体中への溶解性と溶解後の構造
3. 水和イオン液体のコスモトロピシティと水分活性
4. タンパク質の溶媒としての水和[ch][dhp]の評価
5. おわりに - 第23章 非水系バイオ燃料電池を目指して―水和イオン液体中での酵素反応―(藤田恭子、中村暢文、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. イオン液体を用いた酵素電極反応
3. イオン液体中における生物電気化学
4. 水和イオン液体中における酵素反応
5. おわりに - 第24章 酵素を安定化できるイオン液体の設計(伊藤敏幸)
-
1. はじめに
2. 酵素反応に適したイオン液体
3. イオン液体コーティングによるリパーゼタンパクの活性化
4. イオン液体を用いる酵素反応
5. 酵素反応溶媒としてのイオン液体の課題 - 第25章 イオン液体中での酵素を用いた高分子合成(藤田正博、陸川政弘)
-
1. はじめに
2. アニリンの重合
3. フェノールの重合
4. ポリエステルの合成
4.1 ジカルボン酸とジオールの重縮合
4.2 ラクトンの開環重合
4.3 ラクチドの開環重合
5. おわりに - 第26章 イオン液体と細胞工学(藤田恭子、大野弘幸)
-
1. はじめに
2. イオン液体の毒性
3. イオン液体中での細胞観察
4. 空気中の細胞工学
5. おわりに - 【第VI編 将来展望】
第27章 ナノ・バイオサイエンスとイオン液体は共存できる(大野弘幸) - おわりに(大野弘幸)
| 調査資料名 | 価格 | 発刊日 |
|---|---|---|
| 細胞治療・再生医療のための培養システム
|
68,250 円 | 2010/01/01 |
| バイオ医薬の開発技術とシーズ
|
73,500 円 | 2009/03/01 |
| 日本発ブロックバスターを目指して―創薬研究の最前線―
|
68,250 円 | 2010/05/01 |
| 抗体医薬のための細胞構築と培養技術
|
68,250 円 | 2010/06/10 |
| 未来を動かすソフトアクチュエータ―高分子・生体材料を中心とした研究開発―
|
68,250 円 | 2010/12/21 |
発刊日
2010/01/01
体裁
B5判 / 243ページ
販売価格
68,250 円
(本体65,000円 消費税3,250円)
発行
株式会社シーエムシー出版
