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レポートナンバー 0000010058

高機能性繊維の最前線

株式会社シーエムシー出版

〜医療、介護、ヘルスケアへの応用〜

The Front Line of Functional Fiber 〜Application to Medical Treatment, Care and Healthcare〜

発刊日 2014/10/31

言語日本語

体裁B5/241ページ

ライセンス/価格241ページ

0000010058

B5版 70,400 円(税込)

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ポイント

自動車材料や、メディカル、建築に至る様々な分野に使われる最先端の材料である高機能繊維!
近年、医療、介護、ヘルスケアに向けた高機能繊維の利用が盛んに行われている!
加工技術から新規繊維の開発、応用に至るまで、最先端の研究者による分担執筆!

レポート概要

【 刊行にあたって 】

衣食住の要である「衣」は人間誕生の歴史とともに、人間にとって極めて身近なものとして発展を続けてきた。18世紀の産業革命以来、繊維産業は社会を先導する先進的な産業分野として、有用な製品や様々な技術を生み出してきた。元来、「繊維・ファイバー」は細くて長い特性を有する材料の総称である。現在では、繊維・ファイバーは、アパレル用途だけでなく、航空機・自動車、メディカル、エネルギー、環境、土木建築など様々な分野に使われる先端的な素材として展開されている。繊維の科学技術としては、①素材(高分子)の開発、②繊維への加工、および③高次加工が基本構成となる。新たな用途や機能を持つ製品に昇華させるためには、これら素材や技術要素の最適な組合せを追求することが必要になる。

日本の繊維産業は、明治期から隆盛を極めた蚕糸業を出発点に化学繊維、高機能繊維へと技術の高度化・新たな製品の開発が図られ、常に最先端の繊維技術を有する技術強国として、世界中から注目されている。

本書では、このような観点から、医療、健康、福祉・介護という分野に特化した研究に関して集約したものである。新たなライフスタイルイノベーションを先導するために、何らかのヒントが皆様に与えられれば幸いである。

レポート詳細

監修

阿部康次、森川英明、梶原莞爾

著者一覧

阿部康次 信州大学
森川英明 信州大学
梶原莞爾 信州大学
増田正人 東レ(株)
大越豊 信州大学
河原豊 群馬大学
吉岡太陽 豊田工業大学
亀田恒徳 (独)農業生物資源研究所
谷岡明彦 東京工業大学
木山晋哉 (株)ゼタ
磯貝明 東京大学
近藤哲男 九州大学
中垣雅雄 信州大学
大下貴也 東京工業大学
川野浩明 東京工業大学
小林智裕 東京工業大学
宮原秀一 東京工業大学
沖野晃俊 東京工業大学
玉田靖 信州大学
橋本朋子 奈良女子大学研究院
山岡哲二 国立循環器病研究センター研究所
松野寿生 九州大学
田中敬二 九州大学
川添直輝 (独)物質・材料研究機構
陳国平 (独)物質・材料研究機構
魏凱 信州大学
金翼水 信州大学
岩田忠久 東京大学
朝倉哲郎 東京農工大学
田中綾 東京農工大学
渡邊圭 信州大学
仲野幸弘 花王(株)
水谷千代美 大妻女子大学
築城寿長 ダイワボウノイ(株)
辻本裕 シキボウ(株)
諸岡晴美 京都女子大学
石丸園子 東洋紡(株)
上條正義 信州大学
細谷聡 信州大学
吉田宏昭 信州大学
堀場洋輔 信州大学
石澤広明 信州大学

目次

第1編 総論  (阿部康次、森川英明、梶原莞爾)
1 はじめに
2 生体は繊維だ!
3 未来型医療への布石
3.1 人工臓器の開発
3.2 ヘルスケア
3.3 福祉・介護分野
4 人工臓器用材料の開発
4.1 人工臓器の材料
4.2 なぜ繊維なのか?
4.2.1 繊維そのものの特徴
4.2.2 生体側の状況
5 おわりに

【第2編 繊維加工技術】

第1章 複合紡糸によるナノ断面制御技術とその応用  (増田正人)
1 はじめに
2 複合紡糸法によるナノ断面制御技術
3 ナノ断面制御技術による革新的なナノファイバーの創出
3.1 世界初となる繊維径150nmの超極細ナノファイバー
3.2 繊維断面に凹凸を有した異形断面ナノファイバー
3.3 異ポリマーが貼り合わされた複合型ナノファイバー
4 おわりに

第2章 高機能性繊維の開発におけるレーザー光照射加熱の利用  (大越豊)
1 レーザー光照射加熱の特長
2 レーザー光照射加熱を利用した高機能性繊維の開発
3 レーザー光照射加熱を利用した繊維構造形成機構の解析

第3章 エレクトロスピニング法によるバイオナノファイバーの開発  (河原豊、吉岡太陽、亀田恒徳)
1 はじめに[河原、吉岡]
2 液状絹[河原]
3 再生絹フィブロイン[吉岡]
4 今後期待されるシルク[亀田]

【第3編 新規素材開発】

第1章 医療とナノファイバー  (谷岡明彦、木山晋哉)
1 はじめに
2 ナノファイバーの効果
3 医療材料用ナノファイバーの紡糸方法
4 材料の安全性
5 ナノファイバーの応用可能な医療分野
5.1 ドラッグデリバリー
5.2 創傷治癒
5.3 再生医療用培地
5.4 ナノファイバー型フィルターシート
5.5 マイクロ総合診断システム
5.6 バイオセンサ
6 おわりに

第2章 セルロースナノファイバーの特性と応用展開  (磯貝明)
1 はじめに
2 各種セルロースナノファイバーの調製と特徴
3 セルロースナノファイバーの医療・ヘルスケア材料としての検討
4 おわりに

第3章 水中カウンターコリジョン(対向衝突)によるコラーゲンナノファイバーの創製と性質  (近藤哲男)
1 はじめに
2 ACC法によるのコラーゲンナノファイバーの調製
2.1 二つのタイプのコラーゲンナノファイバー
2.2 ACC処理により得られるコラーゲンナノファイバー中の分子のらせん向き
2.3 ACC処理によるコラーゲンファイバーの微細化挙動
2.4 超音波フラグメンテーション法によるシングルコラーゲンナノファイバーの引張強度測定
2.5 二つのタイプのコラーゲンナノファイバーの水分散状態
3 おわりに

第4章 人工クモ糸の開発と応用  (中垣雅雄)
1 はじめに
2 クモ糸(スパイダーシルク)
2.1 スパイダーシルクとは
2.1.1 スパイダーシルクの特徴
2.1.2 スパイダーシルクの応用
2.2 人工紡糸するスパイダーシルクの開発
2.3 カイコに吐糸させるスパイダーシルクの開発
2.3.1 カイコについて
2.3.2 カイコに吐糸させるスパイダーシルク
3 おわりに

第5章 大気圧プラズマによる繊維の改質  (大下貴也、川野浩明、小林智裕、宮原秀一、沖野晃俊)
1 大気圧プラズマによる表面改質
2 表面処理に用いられる様々な大気圧プラズマ装置
2.1 バリヤ放電プラズマ
2.2 コロナ放電プラズマ
2.3 マイクロプラズマジェット
2.4 リモートプラズマ
2.5 ジェット型マルチガスプラズマ
2.6 温度制御プラズマ
3 大気圧プラズマの表面改質への応用例
3.1 表面親水化処理
3.2 酸化物の還元処理
3.3 コーティング処理
4 大気圧プラズマによる繊維改質の実施例
4.1 様々な繊維材料の親水化処理
4.2 繊維の撥水処理
5 おわりに

【第4編 医療用機能性繊維】

第1章 メディカル領域の繊維素材  (玉田靖)
1 はじめに
2 医療用製品と繊維
2.1 人工腎臓
2.2 血液フィルター
2.3 縫合糸
2.3.1 縫合糸の種類
2.3.2 縫合糸の機能化
2.3.3 シルク縫合糸の特徴と機能化
2.3.4 技術の融合による機能性縫合糸の開発
3 おわりに

第2章 再生医療用繊維性スキャホールドの構造制御と表面修飾  (橋本朋子、玉田靖、山岡哲二)
1 はじめに
2 構造特性・バルク特性
3 表面特性が発現する機能
3.1 物理化学的特性
3.2 生理活性
4 高い細胞運動性を誘導するシルクフィブロイン表面
5 生理活性を搭載したPLAファイバー神経誘導管
6 おわりに

第3章 含水DNA固体膜の力学物性  (松野寿生、田中敬二)
1 はじめに
2 自己支持性DNA固体膜の作製
3 DNA固体膜の分子鎖熱運動性
4 DNA固体膜の引張特性
5 固体膜中におけるDNA鎖の凝集構造
6 おわりに

第4章 生体吸収性織編物とコラーゲンとを複合化した組織再生材料の開発  (川添直輝、陳国平)
1 はじめに
2 生体吸収性合成高分子材料と天然高分子材料の複合化
3 生体吸収性メッシュとコラーゲンスポンジの複合化
4 播種した細胞の漏出を低減するPLGAメッシュで被覆したコラーゲンスポンジの作製と軟骨組織再生への応用
5 PLGA-コラーゲン複合メッシュの構造と軟骨組織再生への影響
6 PLGA-漏斗状多孔質構造コラーゲン複合メッシュの開発と軟骨組織再生への応用
7 PLGA-コラーゲン-骨形成タンパク質BMP4複合メッシュの開発と骨組織再生への応用
8 PLLA-コラーゲン複合メッシュの開発と真皮組織再生への応用
9 おわりに

第5章 ナノファイバーを用いた生体組織培養足場材料の開発  (魏凱、金翼水)
1 はじめに
2 エレクトロスピニング法を用いたシルク/ナノヒドロキシアパタイト複合ナノファイバーの作製および骨芽細胞挙動評価
3 エレクトロスピニング法を用いたシルクフィブロイン/テトラメトキシシラン(TMOS)複合ナノ材料の作製および線維芽細胞の接着性評価
4 徐放技術を用いたナノファイバー生体組織培養足場材料の作製
5 三次元ナノファイバー生体組織培養足場材料の開発
6 おわりに

第6章 微生物産生ポリエステルの医療用繊維としての応用を目指して  (岩田忠久)
1 はじめに
2 微生物産生ポリエステル
3 スキャフォールドとしての利用
4 ポーラス繊維の開発
5 薬物徐放性評価
6 おわりに

第7章 家蚕絹を用いた小口径人工血管の開発  (朝倉哲郎、田中綾)
1 はじめに
2 再生医療材料としての家蚕絹の特性とプロセッシング
3 家蚕絹を用いた小口径人工血管の作製とラット移植実験による評価
4 内径3-4mmの小口径絹人工血管の作製とイヌ移植実験による評価
5 おわりに

【第5編 ヘルスケア・介護用機能性繊維】

第1章 ナノファイバーを利用したマスクの開発  (渡邊圭、金翼水)
1 はじめに
2 エアロゾルの人体への有害作用
3 マスクの種類と目的
3.1 マスクの歴史
3.2 マスクの種類
3.2.1 家庭用
3.2.2 医療用
3.2.3 産業用
3.3 N95マスク
4 捕集対象の種類
5 捕集原理
6 マスク試験方法(BFE、PFE)
6.1 BFE試験:空気中の細菌を捕集する性能試験
6.2 PFE試験:微小粒子を捕集する性能試験
7 マスクフィルター素材および構造
7.1 ナノファイバーフィルター
7.1.1 ナノファイバーフィルターの製造方法
7.1.2 ナノファイバーフィルターのメリット
8 ナノファイバーマスクの実用化
9 今後の展望

第2章 ポリオレフィン系自発伸張繊維の開発とサニタリー用不織布への応用  (仲野幸弘)
1 はじめに
2 生理用ナプキンの構成ならびに各構成の役割
3 自発伸張繊維の開発背景
4 自発伸張繊維の開発
5 自発伸張繊維の不織布化
6 生理用ナプキン表面材への応用
7 おわりに

第3章 機能性繊維の介護用品への応用  (水谷千代美)
1 はじめに
2 高齢者施設・病院の室内環境に適した消臭繊維の展開
3 消臭抗菌抗アレルギー繊維の拘縮患者への応用
4 弱酸性ポリエステルが肌に与える効果

第4章 高機能繊維アレルキャッチャーの開発と応用  (築城寿長)
1 はじめに
2 高機能繊維
3 消臭・抗菌繊維「デオメタフィⓇ」
4 抗アレルゲン繊維「アレルキャチャーⓇ」、痒み鎮静繊維「アレルキャッチャーⓇAD」
5 新たな展開
6 おわりに

第5章 抗ウイルス加工繊維「フルテクト」「アルゴン」  (辻本裕)
1 はじめに
2 抗ウイルス加工「フルテクト」
2.1 開発経緯
2.2 鳥インフルエンザとは
2.3 鳥インフルエンザの侵入ルート
2.4 「フルテクト」の特徴
2.5 「フルテクト」の抗ウイルス効果
2.6 「フルテクト」の応用展開
3 抗ウイルス加工「アルゴン」
3.1 開発経緯
3.2 ノロウイルスについて
3.2.1 ノロウイルスとは?
3.2.2 ノロウイルスによる食中毒の発生件数
3.2.3 ノロウイルスの感染経路
3.2.4 ノロウイルス食中毒の予防方法
3.3 「アルゴン」の特長
3.4 「アルゴン」の抗ウイルス効果
3.5 嘔吐物処理について
3.6 「アルゴン」の応用展開
4 おわりに

第6章 高齢者の生理・生体を考慮した繊維製品の設計  (諸岡晴美)
1 高齢社会を迎えて
2 高齢者の体力低下からみた繊維製品の設計
2.1 高齢者の生活態様と体力
2.2 膝関節動作を支援する繊維製品の開発事例
2.3 歩行疲労軽減タイプ靴下の開発事例
2.4 メタボリックシンドローム対策ウェア(エネルギー代謝促進型ウェア)の開発事例
3 高齢者の皮膚性状変化からみた繊維製品の設計
3.1 加齢に伴う皮膚組織の弾力低下
3.2 皮膚性状を改善するための加工の事例
4 高齢者の体温調節機能からみた繊維製品の設計

第7章 圧力を考慮した快適性に優れる製品設計  (石丸園子)
1 はじめに
2 人体への圧迫が感覚および生理反応に及ぼす影響
3 衣服圧の計測方法
4 衣服圧シミュレーション
5 衣服圧シミュレーション技術の活用方法-1
6 衣服圧シミュレーション技術の活用方法-2
7 体圧分散性に優れるマットレス
8 おわりに

第8章 繊維製品に関する感性計測評価  (上條正義、細谷聡、吉田宏昭、堀場洋輔)
1 心身反応の計測による繊維製品の快適性評価
2 段階着圧ソックスに対する消費者の感性的価値評価
2.1 健康志向と段階着圧製品
2.2 段階着圧ソックスの価値を考える
2.3 製品に対する消費者の感性的価値抽出
2.4 段階着圧ソックスの感性的価値
3 数値シミュレーションによる着心地の評価
3.1 個別粒子法による被服圧分布の推定
3.2 有限要素法による空隙量分布の推定
4 座り心地の評価
5 接触感計測評価システム

第9章 スマートテキスタイルの医療, ヘルスケア応用  (石澤広明)
1 はじめに
2 光ファイバーによるヒトのバイタルサインセンシング
2.1 FBGセンサの特徴
2.2 FBGを利用したバイタルサインセンシングシステム
2.3 脈拍計測
2.4 呼吸数計測
2.5 血圧計測
3 スマートテキスタイルとしての展開  ―まとめ-

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