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レポートナンバー 0000002389

がん免疫療法―実用化へのチャレンジ―

株式会社シーエムシー出版

Cancer Immunotherapy:Challenge to Practical Use

発刊日 2010/09/30

言語日本語

体裁B5/250ページ

ライセンス/価格250ページ

0000002389

B5版 71,500 円(税込)

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レポート概要

【刊行にあたって】

本年4月、アメリカFDAにより、Dendreon社のホルモン抵抗性前立腺がんに対するがんワクチン「Provenge(R)」が承認された。既にロシアでは、2008年4月にAntigenics社の難治性腎臓癌に対するがんワクチン「Oncophage(R)」が承認を受けている。がんに対する免疫的治療法実用化の幕開けを裏付ける画期的な出来事である。
本書では、日本を代表する研究者の方々に、様々ながん免疫療法開発の技術基盤、GMP準拠の治験薬製造、この新しい分野発展に向けてのレギュレーションや評価の考え方等、免疫療法実用化に向けての現状と課題等を書いていただいた。

(「はじめに」より一部抜粋)
2010年9月  珠玖 洋

レポート詳細

監修

珠玖 洋   三重大学 大学院医学系研究科 がんワクチン治療学 遺伝子・免疫細胞治療学 教授

著者

珠玖 洋 三重大学 大学院医学系研究科 がんワクチン治療学 遺伝子・免疫細胞治療学 教授
守田玲菜 札幌医科大学 第1病理 研究生
廣橋良彦 札幌医科大学 第1病理 助教
鳥越俊彦 札幌医科大学 第1病理 准教授
佐藤昇志 札幌医科大学 第1病理 教授
伊東恭悟 久留米大学 医学部 免疫・免疫治療学講座 教授
野口正典 久留米大学 先端癌治療研究センター 教授
笹田哲朗 久留米大学 医学部 免疫・免疫治療学講座 准教授
山田 亮 久留米大学 先端癌治療研究センター 教授
和田 尚 大阪大学 大学院医学系研究科 外科学講座 消化器外科学
垣見和宏 東京大学医学部附属病院 免疫細胞治療学(メディネット) 特任准教授
中山睿一 川崎医療福祉大学 医療福祉学部 教授
北脇年雄 京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 産官学連携研究員
門脇則光 京都大学大学院 医学研究科 血液・腫瘍内科学 講師
瀬谷 司 北海道大学 大学院医学研究科 免疫学分野 教授
安岡潤一 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 大学院生命情報科学教育部 博士後期課程
秋吉一成 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 教授
平野直人 Dana-Farber Cancer Institute,Department of Medical Oncology,Assistant Professor of Medicine
田中真己人 Dana-Farber Cancer Institute,Department of Medical Oncology,Research fellow
今滝 修 Dana-Farber Cancer Institute,Department of Medical Oncology,Research fellow
加藤光次 九州大学病院 血液腫瘍内科 助教
池田裕明 三重大学 大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学 准教授
西村孝司 北海道大学 遺伝子病制御研究所 免疫制御分野/ROYCE’健康バイオ研究部門 教授
脇田大功 北海道大学 遺伝子病制御研究所 免疫制御分野 助教
大栗敬幸 北海道大学 遺伝子病制御研究所 免疫制御分野 特任助教
北村秀光 北海道大学 遺伝子病制御研究所 免疫制御分野 准教授
本橋新一郎 千葉大学 大学院医学研究院 免疫細胞医学 准教授
中山俊憲 千葉大学 大学院医学研究院 免疫発生学 教授
小林博人 東京女子医科大学 腎臓病総合医療センター 泌尿器科 助教
峰野純一 タカラバイオ(株) 細胞・遺伝子治療センター センター長
河上 裕 慶應義塾大学 医学部 先端医科学研究所 細胞情報研究部門 所長,教授
西川博嘉 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学 特任准教授
原田直純 (株)イミュノフロンティア 研究推進部 研究推進部長
村岡大輔 (株)イミュノフロンティア 研究推進部 研究員
小澤健夫 POCクリニカルリサーチ(株) 代表取締役社長
松下(佐藤)まりも 東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター 外科・臓器細胞工学分野 助教
田原秀晃 東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター 外科・臓器細胞工学分野 教授
榎 竜嗣 タカラバイオ(株) 細胞・遺伝子治療センター 主任研究員
影山慎一 三重大学 大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学講座 准教授

目次

第1章 癌免疫療法―現状から未来へ―(珠玖洋)
1. 癌発生から治癒までの「癌免疫」の重要な役割
2. 多彩ながんワクチン開発
2.1 ペプチドワクチン
2.2 蛋白ワクチン
2.3 DNAワクチン
3. がんワクチンの承認から実用化へ
4. 多様な細胞療法の開発研究
4.1 樹状細胞の利用
4.2 エフェクター細胞療法
5. 腫瘍局所に於ける免疫抑制解除は今後の重要な課題
6. 複合的癌免疫療法により癌のコントロールから治癒へ
7. 複合的免疫療法の効率良い開発を目指して

第2章 がん免疫療法の標的抗原(守田玲菜,廣橋良彦,鳥越俊彦,佐藤昇志)
1. 緒言
2. がん抗原のカテゴリー
3. 結語

第3章 ペプチドワクチン療法:高度医療承認から医薬品化への道
     (伊東恭悟,野口正典,笹田哲朗,山田亮)

1. はじめに
2. 免疫学の歴史からみたペプチドワクチン療法
3. ペプチドワクチン療法の原理
4. ペプチドワクチン療法の限界
5. ペプチドワクチン療法の有害事象(副作用)
6. ペプチドワクチン療法の免疫賦活能と臨床効果
7. ペプチドワクチン療法のバイオマーカー
8. ペプチドワクチンのランダム化比較試験
9. テーラーメイドペプチドワクチンとは?
10. おわりに

第4章 癌ワクチン―蛋白とロングペプチド―(和田尚,垣見和宏,中山睿一)
1. はじめに
2. NY-ESO-1抗原を用いた癌ワクチン
2.1 NY-ESO-1抗原
2.2 NY-ESO-1短鎖エピトープペプチドを用いた癌ワクチン療法
2.3 NY-ESO-1短鎖エピトープペプチドワクチンの問題点
3. NY-ESO-1蛋白を用いた癌ワクチン
3.1 NY-ESO-1総蛋白による免疫
3.2 CHP-NY-ESO-1癌ワクチン
3.3 その他のNY-ESO-1癌ワクチン
4. 長鎖複合ペプチドワクチン(long overlapping peptide vaccine)
4.1 短鎖エピトープペプチドワクチンの問題点
4.2 長鎖複合ペプチドによるトレランスの回避と免疫応答の誘導
4.3 ヘルパーT細胞のエピトープペプチド
4.4 APCによる長鎖複合ペプチドの抗原提示
4.5 サブドミナントエピトープに対する免疫応答の誘導
4.6 HPV16長鎖複合ペプチドワクチン
4.7 p53長鎖複合ペプチドワクチン
5. NY-ESO-1長鎖複合ペプチドワクチン
5.1 CHP-NY-ESO-1投与患者におけるエピトープ解析
5.2 NY-ESO-1長鎖複合ペプチドを用いた癌ワクチン臨床試験
6. おわりに

第5章 樹状細胞ワクチン(北脇年雄,門脇則光)
1. はじめに―DC療法開発の現状―
2. DCによるT細胞活性化メカニズム
2.1 T細胞にシグナルを誘導するDCの分子
2.1.1 抗原提示分子(MHC分子)
2.1.2 共刺激分子
2.1.3 サイトカイン
2.1.4 その他の分子
2.2 DCとT細胞が遭遇するメカニズム
3. DC療法の方法
3.1 DCの調製
3.1.1 単球
3.1.2 CD34陽性造血前駆細胞(hematopoietic precursor cell:HPC)
3.1.3 末梢血DC濃縮分画
3.2 抗原の添加
3.2.1 抗原のソース
3.2.2 抗原の添加方法
3.3 DCの成熟刺激
3.4 DCの投与法
4. DC療法の臨床試験
5. DC療法の問題点と対策
5.1 腫瘍巣における免疫抑制の解除
5.2 免疫療法に適した病期
5.3 他の治療法の併用
6. おわりに

第6章 がんワクチンとアジュバント(瀬谷司)
1. はじめに
2. アジュバントの多様性
2.1 TLR依存性MyD88経路
2.2 TLR依存性TICAM-1経路
2.3 RLR依存性IPS-1経路
2.4 NLR依存性ASC経路
3. その他のアジュバント
4. 経口ワクチンの可能性
5. おわりに

第7章 ワクチン抗原デリバリーシステム(安岡潤一,秋吉一成)
1. はじめに
2. 生体成分由来ワクチンシステム
2.1 ウイルスベクターワクチン
2.2 ウイルス様粒子およびvirosome
2.3 分子シャペロン-抗原複合体
2.4 サポニン-脂質複合体微粒子
3. ナノ微粒子キャリアシステム
3.1 エマルジョンMontanide(TM)
3.2 リポソーム
3.3 バブルリポソーム-超音波
3.4 高分子ナノ微粒子
3.5 多糖ナノゲル
4. おわりに

第8章 T細胞を用いた養子免疫細胞療法:人工抗原提示細胞による優れたT細胞の作製
     (平野直人,田中真己人,今滝修)

1. はじめに
2. 養子免疫細胞療法に最適なCTLとは?
2.1 標的とするがん関連抗原
2.2 輸注するCTLの分化段階
2.3 T細胞の抗原親和性(avidity)
3. 養子免疫細胞療法に最適なCTLを誘導,増幅するには?
3.1 抗原提示細胞
3.2 T細胞増殖因子
4. 人工抗原提示細胞(aAPC)を用いたT細胞の体外増幅
5. 人工抗原提示細胞で作られたCTLを用いてどんな養子免疫細胞療法の臨床試験を行うか?
6. 人工抗原提示細胞で作られたCTLを輸注する養子免疫細胞療法の臨床試験に伴う規制の克服
7. 養子免疫細胞療法の結果
8. 養子免疫細胞療法の新展開
9. おわりに

第9章 免疫療法におけるメモリーT細胞(加藤光次)
1. はじめに
2. 腫瘍免疫におけるメモリーT細胞
3. ナイーブからメモリーT細胞への分化
4. メモリーT細胞分化の分子基盤
4.1 細胞外シグナル
4.2 細胞内シグナル
4.3 細胞外から細胞内へのシグナル伝達経路
5. “Stemness”を標的にしたメモリーT細胞誘導
6. 今後の展望

第10章 遺伝子改変T細胞療法―CTL―(池田裕明)
1. はじめに
2. 期待される腫瘍特異的T細胞輸注療法
3. TCR改変T細胞療法
4. TCRミスペアリングを防ぐ新規ベクターの開発
5. キメラ抗原受容体(CAR)遺伝子導入T細胞療法
6. T細胞のクオリティー向上を目指した遺伝子改変
7. おわりに

第11章 ヘルパーT細胞を軸とした抗腫瘍免疫の制御:基盤研究から臨床応用まで
     (西村孝司,脇田大功,大栗敬幸,北村秀光)

1. はじめに
2. 免疫抑制・癌エスケープを制御するRegulatory T細胞(Treg):癌幹細胞とTreg
3. 担癌生体におけるミエロイド由来免疫抑制性細胞(MDSC)
4. 癌組織に浸潤したIL-17産生γδT細胞は血管新生を促進して癌の増殖を助ける
5. 担癌生体の免疫抑制を打破するTh1細胞治療
6. 癌抗原Helper/killer hybrid epitope long peptide(H/K HELP)のヒトTh1細胞治療への応用
7. おわりに

第12章 NKT細胞免疫療法(本橋新一郎,中山俊憲)
1. はじめに
2. 肺癌に対するiNKT細胞免疫系を用いた能動免疫療法の臨床研究
3. 頭頸部癌に対するiNKT細胞免疫系を用いた能動免疫療法の臨床研究
4. 肺癌に対するiNKT細胞免疫系を用いた受動免疫療法の臨床研究
5. 頭頸部癌に対するiNKT細胞免疫系を用いた複合免疫療法の臨床研究
6. おわりに

第13章 自己活性化γδ型T細胞を用いた癌免疫療法(小林博人)
1. 進行性腎癌の治療と免疫
2. 腎癌とγδ型T細胞
3. γδ型T細胞による抗腫瘍活性の機序と問題点
4. γδ型T細胞を用いた臨床試験
5. 今後の展望について

第14章 遺伝子・免疫療法―レトロウイルスベクターを中心に―(峰野純一)
1. はじめに
2. レトロウイルスベクターの基礎と改良
3. レトロウイルスベクターの問題点(ジーンサイレンシングとクロナリティ)
4. がん免疫遺伝子治療とレトロウイルスベクター
5. おわりに

第15章 がん関連微小環境における免疫抑制とその制御(河上裕)
1. はじめに
2. がん形成過程におけるがん細胞と免疫細胞の相互作用による抗腫瘍免疫環境の形成
3. がん細胞の免疫抵抗性の獲得機構と制御法
3.1 腫瘍抗原やその提示に関与する分子の異常
3.2 免疫抵抗性がん細胞群
4. がん細胞による免疫抑制分子の発現機構と制御法
4.1 がん細胞が分泌する免疫抑制分子と制御法
4.2 がん細胞が発現する免疫抑制性膜分子と制御法
4.3 がん細胞が発現する免疫抑制に関与する細胞内酵素と制御
5. がん細胞による免疫抑制性細胞の誘導機構と制御法
5.1 制御性T細胞
5.2 骨髄由来免疫抑制細胞・腫瘍関連マクロファージ
5.3 寛容性樹状細胞
5.4 免疫抑制性NKT細胞とγδT細胞
6. 免疫抑制環境の改善による免疫療法の効果増強
7. 免疫状態の総合的評価法の開発
8. おわりに

第16章 がん免疫応答における制御性T細胞の役割とその克服(西川博嘉)
1. はじめに
2. Tregsとは
3. Tregsは腫瘍免疫応答を抑制する
3.1 マウスモデル
3.2 がん患者
4. 腫瘍局所に集積したTregs
5. CD4+CD25+ Treg抑制の克服の可能性
5.1 IL-2/CD25
5.2 Toll様受容体(TLR)
5.3 GITR
5.4 CTLA-4
5.5 OX40
5.6 FR4(Folate receptor 4)
6 おわりに

第17章 免疫抑制因子阻害剤:がん免疫療法の新たな標的(原田直純,村岡大輔)
1. はじめに:がんを攻撃する免疫反応とそれを抑制する免疫反応
2. 免疫抑制性受容体分子CTLA-4およびPD-1
3. 転写制御因子STAT3
4. インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ(IDO)
5. 細胞外アデノシン産生酵素CD39・CD73とアデノシンA2A受容体
6. おわりに

第18章 がん免疫療法開発と日本における規制(小澤健夫)
1. はじめに
2. がん免疫療法の歴史
3. がん治療ワクチンの開発状況
3.1 PersonalizedワクチンとStandardizedワクチン
3.2 テクノロジープラットフォーム
3.3 開発対象となるがん種
3.4 治療ターゲットとなるがん抗原
4. がん治療ワクチンの臨床試験デザイン
4.1 患者の選択
4.2 投与量
4.3 エンドポイント
5. がん治療ワクチン開発における日本の規制
5.1 薬事法規制下で行われる治験と研究者指導で行われる臨床研究
5.2 がん治療ワクチン開発に係る規制
5.2.1 細胞加工を必要とするがん治療ワクチン開発に係る規制
5.2.2 遺伝子治療の概念が適用されるがん治療ワクチン開発に係る規制
6. おわりに

第19章 ワクチン製剤の非臨床試験―GLPとnon GLP―(原田直純)
1. はじめに
2. 薬理試験
3. 薬物動態試験
4. 毒性試験
5. おわりに

第20章 細胞療法におけるGMP化―樹状細胞を例として―(松下(佐藤)まりも,田原秀晃)
1. はじめに
2. 樹状細胞のプロセッシング
2.1 未熟樹状細胞のプロセッシング
2.2 成熟化
2.3 抗原提示
3. 臨床試験プロトコール
3.1 これまでの臨床試験の成果と問題点
3.2 樹状細胞を用いた癌免疫遺伝子治療
4. 樹状細胞の品質管理
4.1 樹状細胞療法のレギュレーション(東京大学医科学研究所 治療ベクター開発室の例)
4.1.1 インフラストラクチャーの整備
4.1.2 運営および管理
5. おわりに

第21章 細胞療法におけるGMP化―リンパ球製剤を例として―(榎竜嗣)
1. はじめに
2. 治験薬GMPの概要
3. リンパ球製剤を製造する際の原材料について
4. 製造工程について
5. 品質管理について
6. リンパ球製剤の保管,運搬
7. おわりに

第22章 がん免疫療法の新たな臨床評価―RECISTと臨床評価法―(影山慎一)
1. はじめに
2. がん免疫療法の種類
3. 真のエンドポイント,サロゲート・エンドポイント
4. 化学療法剤での「腫瘍縮小」をサロゲート・エンドポイントとするための検証
5. 腫瘍縮小評価法としてのRECIST
6. がん免疫療法の試験デザイン(FDAガイダンスより)
7. がん免疫療法の新しい臨床評価法
8. がん免疫療法の生存率評価
9. おわりに

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