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レポートナンバー 0000024948

リチウムイオン二次電池用シリコン系負極材の開発動向

株式会社シーエムシー出版

Recent Developments of Silicon Anodes for Lithium Ion Batteries

発刊日 2019/11/29

言語日本語

体裁B5/251ページ

ライセンス/価格251ページ

0000024948

B5版 69,300 円(税込)

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ポイント

現行の黒鉛負極の約10倍の理論容量を有し,次世代負極材料の最有力候補と目される「シリコン(Si)」!
課題となる膨張収縮の制御や不可逆容量の低減に向けた,Siの構造制御・プレドープ・合金化技術などについて詳述!
Si負極用バインダー・集電体・電解液などのデバイス化技術についても解説!

レポート概要

【刊行にあたって】

 世界的な環境規制の強化の中で、自動車の電動化が強力に進められている。車載用電池の生産量は、2018年には100GWhであるが、2025年には300GWhまで拡大すると予想されている。蓄電池の大量生産により、高性能化と低コスト化が急激に進展して、太陽光発電など自然再生可能エネルギーの電力貯蔵用など、従来はコスト的に採算が取れなかった分野にまで蓄電池の利用が広がりつつある。

 EV用電池の高エネルギー密度化と急速充放電特性の向上、広い使用温度範囲を実現するために、シリコン系負極材料(シリコン、シリコン合金、SiOなど)が注目されている。電気容量は、カーボン系負極材料の5~10倍にもなり、飛躍的な高容量化が可能ではあるが、リチウムとの合金化による体積変化が、2~4倍にもなることから実用化は容易ではない。強力なバインダーの開発、体積変化を緩和できる複合材料の開発、高強度な集電材料の開発、体積変化に追従するため電解液に代えて柔らかい固体電解質を利用するなど、多様な材料開発が行われている。

(本書「はじめに」より抜粋)
刊行にあたって

 世界的な環境規制の強化の中で、自動車の電動化が強力に進められている。車載用電池の生産量は、2018年には100GWhであるが、2025年には300GWhまで拡大すると予想されている。蓄電池の大量生産により、高性能化と低コスト化が急激に進展して、太陽光発電など自然再生可能エネルギーの電力貯蔵用など、従来はコスト的に採算が取れなかった分野にまで蓄電池の利用が広がりつつある。

 EV用電池の高エネルギー密度化と急速充放電特性の向上、広い使用温度範囲を実現するために、シリコン系負極材料(シリコン、シリコン合金、SiOなど)が注目されている。電気容量は、カーボン系負極材料の5~10倍にもなり、飛躍的な高容量化が可能ではあるが、リチウムとの合金化による体積変化が、2~4倍にもなることから実用化は容易ではない。強力なバインダーの開発、体積変化を緩和できる複合材料の開発、高強度な集電材料の開発、体積変化に追従するため電解液に代えて柔らかい固体電解質を利用するなど、多様な材料開発が行われている。

(本書「はじめに」より抜粋)

レポート詳細

監修

境 哲男

著者一覧

境哲男   山形大学 / 産業技術総合研究所
春田正和  同志社大学
稲葉稔   同志社大学
松本健俊  大阪大学
閻紀旺   慶應義塾大学
江原祥隆  エルケム・ジャパン(株)
吉澤啓典  エルケム・ジャパン(株)
三好義洋  (株)Nanomakers Japan
ヨハンアウダート  Nanomakers France SA
間宮幹人  産業技術総合研究所
秋本順二  産業技術総合研究所
太田遼至  東京大学
神原淳   東京大学
齋藤守弘  成蹊大学
小島健治  JSR(株)
山野晃裕  山形大学
杣直彦   (株)ワイヤード
大澤善美   愛知工業大学
糸井弘行  愛知工業大学
千葉啓貴  日産自動車(株) 
木村優太  大同特殊鋼(株)
南和希   大同特殊鋼(株)
森井浩一  大同特殊鋼(株)
中山剛成  宇部興産(株)
向井孝志  ATTACCATO合同会社
池内勇太  ATTACCATO合同会社
山下直人  ATTACCATO合同会社
坂本太地  ATTACCATO合同会社
木下智博  (株)本田技術研究所
髙橋牧子  (株)本田技術研究所
田名網潔  (株)本田技術研究所
青柳真太郎 (株)本田技術研究所
清水雅裕  信州大学
新井進   信州大学
海野裕人  日鉄ケミカル&マテリアル(株)
藤本直樹  日鉄ケミカル&マテリアル(株)
高橋武寛  日本製鉄(株)
後藤靖人  日本製鉄(株)
永田辰夫  日本製鉄(株)
道見康弘  鳥取大学
薄井洋行  鳥取大学
坂口裕樹  鳥取大学
太田鳴海  物質・材料研究機構
木村宏   (株)住化分析センター マテリアル事業部
森脇博文  (株)東レリサーチセンター
中本順子  (株)KRI

目次

【第 I 編 負極開発】

第1章 鱗片状アモルファスSi粉末(Si LeafPowderⓇ)の負極特性
1 はじめに
2 鱗片状Si粉末の作製
3 鱗片状Si負極のサイクル特性
4 充放電サイクルによる鱗片状Si電極の形態変化
5 Siの酸化と充放電特性および電極形態変化への影響
6 まとめ

第2章 切粉由来シリコンナノ粒子の負極応用
1 はじめに
2 シリコン切粉
3 シリコン切粉電極
 3.1 シリコン切粉電極を用いたセルの作製
 3.2 シリコン切粉電極を用いたセルの特性
 3.3 充放電曲線の解析による反応メカニズムの解明
 3.4 炭素材料を用いたシリコン切粉電極の特性向上
4 おわりに

第3章 レーザ照射による廃シリコン粉末からのマイクロピラー形成とその負極特性
1 はじめに
2 廃Si粉末の形成
3 Siマイクロピラーの形成原理と大きさ制御
4 実験装置と方法
5 結果および考察
 5.1 塗布膜厚によるピラー大きさ制御
 5.2 負極の電気化学特性
 5.3 充放電による負極形態の変化
 5.4 充放電後の電極成分
 5.5 充放電後の負極形態における塗布膜厚の影響
6 おわりに

第4章 シリコン(Si)系負極材料の開発に向けたエルケムシルグレインの開発
1 はじめに
2 シリコン製造に関して
 2.1 冶金グレードのSi
 2.2 エルケム社でのシリコン製造方法(エルケムシルグレンⓇ)
 2.3 微粉末シリコンについて
3 負極材に向けたシリコン粉末の開発と電池特性
 3.1 負極材向けの開発について
 3.2 電池特性に関して
4 おわりに

第5章 ナノシリコンの合成と負極特性
1 序文
2 Nanomakersとレーザー熱分解法
3 なぜ電池にシリコンが使用されるようになるのか
4 なぜレーザー熱分解法でシリコンに炭素コーティングが行われるのか
5 結論と今後の展望

第6章 SiOナノ薄膜の形成と負極への応用
1 はじめに
2 蒸着膜の生成
3 導電助剤膜の積層
4 ハーフセルでの充放電特性
5 製品化への課題
6 おわりに

第7章 プラズマスプレーPVDによるSi系ナノ粒子の高次構造化
1 はじめに
2 電極材料製造法におけるPS-PVDの位置づけ
3 PS-PVDによるSiナノ粒子作製
 3.1 ナノ粒子作製および評価手順
 3.2 Si系ナノ粒子
 3.3 SiO系ナノ粒子
4 おわりに

第8章 Liプレドープ法によるSi負極の効果的アクティベーションと界面安定化
1 はじめに
2 Liプレドープ法
 2.1 炭素負極へのLiプレドープ
 2.2 Si負極へのLiプレドープ
3 LiプレドープがSi負極へ及ぼす効果
 3.1 LiプレドープSi負極の充放電特性
 3.2 LiプレドープによるSi負極・粒子の形態変化
 3.3 Liプレドープ反応の速度と深度
 3.4 LiプレドープによるSEI皮膜形成と界面安定化
 3.5 アクティベーションと界面安定化のメカニズム
4 おわりに

第9章 ロールtoロールLiプレドープ技術
1 プレドープについて
2 プレドープの効果
3 ロールtoロールLiプレドープ技術
 3.1 設備概要(装置構成)
 3.2 ロールtoロールLiプレドープ技術の主な特長
4 今後の展開

第10章 リチウムプリドーピングを容易にするシリコン電極穿孔技術
1 はじめに
2 シリコン系負極に適したレーザ連続穿孔技術
 2.1 穿孔技術開発
 2.2 従来のレーザ加工技術について
 2.3 独自の光学設計と新型スキャナ
3 レーザ穿孔電極を用いたリチウムプリドーピングプロセスと電池製造技術
 3.1 レーザ穿孔電極を用いた電池構成
 3.2 リチウムプリドーピングとプリドーピング進行度の確認
4 Si負極へのリチウムプリドーピングと電池特性
5 SiO負極へのリチウムプリドーピングと電池特性
6 おわりに

第11章 負極用炭素へのシリコン/熱分解炭素コーティング
1 CVD法による負極材料へのシリコン/熱分解炭素コーティング
2 難黒鉛化性炭素繊維/シリコン膜/熱分解炭素膜からなる複合負極材料の合成と評価
 2.1 試料の合成,特性評価と条件
 2.2 構造,電気化学的特性の解析
3 天然黒鉛粒子/シリコン膜/熱分解炭素膜からなる複合負極材料の合成と評価
 3.1 試料の合成,特性評価と条件
 3.2 構造,電気化学的特性の解析
4 シリコンナノ粒子/熱分解炭素膜からなる複合負極材料の合成と評価
 4.1 試料の合成,特性評価と条件
 4.2 構造,電気化学的特性の解析

第12章 高容量Si-Sn-Ti合金負極の研究開発
1 緒言
2 急冷凝固法によるSi相アモルファス化の検討
 2.1 実験方法
 2.2 Si合金のアモルファス形成能の計算方法
 2.3 Si-Sn-Ti合金組成違いでの耐久性評価結果および考察
3 急冷凝固法+MA法でのアモルファス化の検討
 3.1 実験方法
 3.2 急冷凝固での析出シミュレーション計算方法
 3.3 急冷条件違い品のMAでの耐久性向上結果,および,考察
4 高容量と高サイクル耐久性を両立できるSi合金
 4.1 実験方法
 4.2 急冷法とMA法の組み合わせで作製したSi65Sn5Ti30合金の評価結果
 4.3 合金微細組織・構造による高容量と高耐久性の両立の考察
5 まとめ

第13章 アトマイズ法により作製したLiイオン電池負極材用Si合金粉末の高特性化
1 はじめに
2 ガスアトマイズ法によるSi合金粉末の作製
 2.1 Siの合金化について
 2.2 ガスアトマイズ法によるSi合金粉末の作製
3 合金系と電極特性の関係
 3.1 合金系と構成相
 3.2 合金の電極特性評価結果
 3.3 複合化した相の物性とSi合金の電極特性への影響
4 複合化する相の割合の最適化
5 おわりに

【第 II 編 デバイス応用】

第1章 シリコン負極用ポリイミドバインダー(UPIA/ユピア)
1 ポリイミドとは
2 シリコン負極用バインダーに対する要求特性
3 脱有機溶剤ポリイミドバインダーへの期待
4 炭素・黒鉛/シリコン系負極の特性について
 4.1 電池特性評価(ハーフセル)
 4.2 電池特性評価(ラミネート型フルセル)
5 シリコン系負極の特性について
 5.1 電池特性評価(ハーフセル)
 5.2 電池特性評価(コイン型フルセル)
 5.3 電池特性評価(ラミネート型フルセル)

第2章 シリコン負極用無機ケイ酸系バインダー
1 はじめに
2 無機ケイ酸系バインダーの特徴
3 無機ケイ酸系バインダーをコートしたSi負極の熱処理温度
4 おわりに

第3章 シリコン負極用高比表面積銅系集電体
1 はじめに
2 電気めっき法によるカーボンナノチューブの基板表面への固定化
3 カーボンナノチューブ複合基板の電気化学的挙動
4 Cu/VGCF複合集電体のSi負極への適用
5 おわりに

第4章 高容量負極用鉄系金属箔集電体
1 緒言
2 LIBの構造と集電体
3 電解液中での耐食性と集電体の候補材料
4 Niめっき鋼板の諸特性
5 LIBの高エネルギー密度化に向けた取り組み
 5.1 高容量負極と集電体に求められる機械的特性
 5.2 鉄系金属箔の優れた機械的特性を活かした高容量負極の実現
 5.3 鉄系金属箔集電体の厚み
6 鉄系金属箔の電気的特性
7 LIBの安全性や信頼性向上に向けた取り組み
8 結言

第5章 電極-電解質界面の最適化
1 はじめに
2 実験方法
3 容量規制条件下におけるSi系電極のサイクル寿命
4 充放電サイクルにともなうSi系電極の厚さの推移
5 電極断面におけるSiとLiとの反応部位の分布
6 充放電試験前後におけるSi系電極の表面形状の変化
7 Li-Si合金相の相転移挙動
8 Li+拡散係数の違い
9 おわりに

第6章 固体電池へのシリコン負極の適用
1 はじめに
2 充放電時に体積変化を経験する負極活物質の課題
3 有機電解液に替えて無機固体電解質を用いることによる活物質・電解質界面の安定化
4 ナノ多孔構造導入による活物質材の微粉化回避
5 おわりに

第7章 Liイオン二次電池における合剤分散性評価およびin situ顕微鏡観察(Liイオン拡散,膨張収縮,デンドライト発生)
1 電極合剤の分散状態が信頼性に及ぼす影響
2 負極断面における合剤分散性の観察
3 in situ顕微鏡観察によるLIB内部の解析
 3. 1 電極断面のin situ顕微鏡観察
 3. 2 グラファイト負極における充放電の色変化観察
 3. 3 グラファイト負極の過充電によるLiデンドライト発生過程の観察
 3. 4 グラファイト/SiO系負極の充放電による厚み変化解析

第8章 サイクル試験による耐久試験後のSiO/炭素系負極のSEI被膜,負極合剤層の分布評価
1 はじめに
2 LIB負極の劣化分析
 2.1 試料前処理と測定手法
3 サイクル試験におけるSiO/炭素系負極の劣化分析事例
 3.1 分析に使用した試作セルの詳細
 3.2 SEI被膜の構造解析
 3.3 活物質粒子の劣化分析
4 おわりに

第9章 SEM,ECCS,AFMによる電極観察
1 はじめに
2 SEMによる観察
3 ECCSによる観察
4 AFMによる観察
5 さいごに

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