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レポートナンバー 0000032460

CO2の分離回収・有効利用技術

サイエンス&テクノロジー株式会社

発刊日 2022/06/28

言語日本語

体裁B5/262ページ

ライセンス/価格262ページ

0000032460

書籍版 60,500 円(税込)

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レポート概要

◎CCUSに関わる世界の動向と、特許情報から読み解くCO2資源化技術の開発動向および技術トレンド
◎CO2を分離・回収する要素技術開発、各手法の技術的整理とコスト、期待される材料と新規プロセス
◎回収したCO2を資源として有効に活用するために、期待される用途・分野の技術開発動向と応用展望

【本書籍の注目Point!】

 地球規模の気候変動・環境破壊対策に向けて急務となる、温室効果ガスの大半を占めるCO2の排出抑制・削減技術。
 大気中に放出されるCO2をどのように分離・回収し、集めたCO2を新たな資源としてどのように有効活用するべきか。
 悲願の「カーボンニュートラル」実現に向け、全人類が取り組むべきCO2の分離回収・有効利用技術を徹底解説。

▼カーボンニュートラル達成に向け、動き出した世界
 2021年7月に欧州委員会(EC)が公表した政策パッケージ「Fit for 55」や、2021年10月~11月に開催された国連気候変動枠組条約 第26回締約国会合(COP26)および、その成果である「グラスゴー気候協定」を中心に、温室効果ガスの排出量削減に向けた世界各国の現状と課題を解説。
 さらに、「CO2固定化・有効利用技術」関連の特許について、特許庁が公開している1998~2015年分以降である、2016年以降、ここ数年の主要5ヶ国(日本・米国・欧州・中国・韓国)の特許出願動向を調査・解析。技術分類別の出願傾向や、各国が注力する技術トレンドなどを紹介。

▼低炭素社会から脱炭素社会へ、CO2の分離・回収技術とその持続的貯留・固定技術
 燃焼排ガスや大気中からCO2を分離・回収する各手法の技術的整理とプロセスへの適用およびそのコスト。高度な分離・回収に寄与する材料技術と性能評価、高機能化に向けた更なる研究開発とその展望を解説。
 CO2の貯留技術として半世紀近い歴史をもつ石油増進回収(EOR)をはじめとするCCSの事業とコストの概観から、海水電解によるCO2の持続的固定化技術や、コンクリートなど炭酸塩鉱物としてのCO2の固定や再利用技術など、持続的な貯留・固定技術を紹介。
▼CO2を資源として活用する、カーボンリサイクル技術の開発動向と期待される用途分野
 エネルギー貯蔵技術として水素と組み合わせるメタネーション技術、プラスチックなど炭素をマテリアルとして化学的に利用する技術、人工光合成や炭酸塩鉱物化、施設園芸・植物工場での施用技術など、CO2の有効利用が期待される用途・分野とその技術開発動向を幅広く解説。

▼高効率・低コスト・省エネなどプロセスの環境負荷低減に寄与する技術開発
 超臨界二酸化炭素(sc-CO2)を活用した高分子の高次構造改質技術とCO2分離膜や熱電変換・太陽電池の材料開発への応用、CO2からの物質合成におけるエネルギー高効率化に寄与する低温作動プロセス、CO2を炭酸カルシウムとして海洋中に固定する電解技術、CO2資源化触媒の高効率化・低コスト化に寄与するプラズマ科学など、環境対応に向けた技術開発動向も掲載。

レポート詳細

著者

橋﨑 克雄 (一財)エネルギー総合工学研究所 堀毛 悟史 京都大学
八角 克夫 八角コンサルティンググループ 中野 直哉 早稲田大学
中垣 隆雄 早稲田大学 牧浦 淳一郎 早稲田大学
田中 俊輔 関西大学 本村 彩香 早稲田大学
田中 一宏 山口大学 関根 泰 早稲田大学
兼橋 真二 東京農工大学 野崎 智洋 東京工業大学
則永 行庸 名古屋大学 髙嶋 敏宏 山梨大学
平山 幹朗 名古屋大学 入江 寛 山梨大学
町田 洋 名古屋大学 飯塚 淳 東北大学
須田 聖一 静岡大学 何 星融 東北大学
杉本 裕 東京理科大学 土屋 和 土屋農業技術士事務所
門田 健太郎 University of Oregon

書籍趣旨

 2050年までにCO2をはじめとする温室効果ガスの排出・吸収を均衡させ、全体として排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」達成に向け、CO2の排出量を減らす、あるいは排出したCO2を回収・貯留するだけでなく、回収したCO2を原料として有用物質を合成するなど有効に活用する技術開発が求められており、世界中で様々な取り組みや研究が進められています。

 本書では、カーボンニュートラル達成に向けたCCUSに関わる世界の政策・法規制や企業・組織の動向、最新の特許情報から読み解いた各国の技術開発動向と注目される技術トレンドから、「CO2を排出時や大気中からどのように分離・回収し、どのような用途・分野で有効利用するのか」をテーマに、要素技術の開発動向とその展望について、専門家の方々より幅広くご執筆を賜りました。本書がCO2の分離回収・有効利用技術開発やその普及に携わる方のみならず、カーボンニュートラル達成に向け日々惜しみない努力を重ねられている皆様の一助となり、気候変動・環境破壊問題の解決に寄与する一冊となれば幸いです。

 最後になりましたが、CO2の分離回収・有効利用技術開発とその普及に向け、第一線でご活躍されている執筆者の皆様のご理解とご協力のおかげで本書籍を出版することができました。ご多用ながらも快くお引き受け頂き、ここに感謝の意を表します。

(書籍企画担当)

目次

第1章 CCUSに関わる世界の動向
 1. 2050年気候中立(カーボンニュートラル)達成のためのロードマップ
 2. CCUSに関わる国内外の政策・法規制の動向,関連企業・組織の取り組み

第2章 特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド
 はじめに
 1. 世界の特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド
  1.1 世界のCO2資源化技術に関する出願件数
   (1) 1998~2015年にかけての日米欧中韓などへの出願国別推移
   (2) 2016年以降の日米欧中韓などへの出願国別推移
  1.2 2016年以降の世界のCO2資源化技術に関する主要出願人
  1.3 世界のCO2資源化技術に関する技術分野別の推移
   (1) 1998年~2015 年にかけての日米欧中韓などへの技術分野別の推移
   (2) 2016年以降の日米欧中韓などへの技術分野別の推移
   (3) 2016年以降の日米欧中韓などの技術分野割合
   (4) 「CO2固定化(輸送・貯槽・隔離)」技術における上位IPC 別の比較
   (5) 「CO2有効利用(物理的利用・化学的利用・生物的利用)」技術におけるIPC別の比較
 2. まとめ
 おわりに

第3章 CO2の分離・回収技術
第1節 CO2 の分離・回収技術概論
 はじめに
 1. CO2分離回収源の技術的整理
  1.1 被分離ガス中のCO2濃度
  1.2 プロセスへの分離回収の適用
 2. 分離回収方法の技術的整理
 3. 分離回収のコスト

第2節 多孔性材料によるCO2分離回収技術の開発動向
 はじめに
 1. CO2分離・回収技術
 2. 吸着剤の候補
  2.1 炭素系材料
  2.2 シリカ/ゼオライト
  2.3 MOF
 おわりに

第3節 高分子膜によるCO2の分離・回収技術開発動向
 はじめに
 1. 高分子膜によるガス分離の基礎
  1.1 高分子膜のガス透過と分離性
  1.2 高分子材料の製膜技術と膜モジュール
   1.2.1 複合膜および非対称膜
   1.2.2 中空糸膜モジュールとスパイラル膜モジュール
  1.3 分離膜の性能評価項目
   1.3.1 透過係数とパーミアンス
   1.3.2 理想分離係数と分離係数
   1.3.3 圧力比と透過ガス濃度
   1.3.4 膜分離プロセスとモジュール内の流れ
   1.3.5 ステージカットと回収率
 2. CO2分離回収に要求される分離膜の性能
  2.1 単純な向流膜モジュールでの試算
  2.2 分離係数50の分離膜の可能性
 3. 高分子膜のCO2分離性能
  3.1 高分子膜のCO2/N2透過分離性能
  3.2 ポリエチレンオキサイド(PEO)系分離膜
  3.3 MMM(Mixed Matrix Membrane)
  3.4 他の高分子素材
 おわりに

第4節 炭素膜によるCO2の分離・回収技術開発動向
 はじめに
 1. 炭素膜の基礎
 2. 炭素膜のガス透過分離特性
 3. 炭素膜のCO2分離性能
 おわりに

第5節 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収技術の研究開発動向
 はじめに
 1. 地球温暖化とCO2分離回収の重要性
 2. 高分子 ハイブリッド材料 を用いた CO2分離回収
  2.1 高分子ハイブリッド材料
  2.2 高分子ハイブリッド分離膜の課題
  2.3 高分子ハイブリット膜の透過機構
  2.4 高分子ハイブリッド材料の作製と構造
  2.5 高分子ハイブリッド材料の気体分離性能(単ガス)
  2.6 高分子ハイブリッド材料の気体分離性能(混合ガス)
 おわりに

第6節 燃焼排ガスおよび大気中CO2回収技術への冷熱の利用
 はじめに
 1. 処理対象ガス冷却式CO2分離回収技術
 2. クライオジェニックポンピングによる圧力スイング型化学吸収法による低濃度CO2の分離回収
  2.1 プロセスの概要
  2.2 燃焼排ガスを対象とするCryo-Capture
  2.3 冷熱を利用する大気中CO2直接回収「Cryo-DAC」
  2.4 Cryo-DAC を想定した大気中CO2吸収塔の概念設計
 おわりに

第7節 海水電解によるCO2の持続的固定化技術の開発動向と今後の展望
 はじめに
 1. CO2固定サイトとしての海水
 2. 海水電解によるCaCO3の生成
 3. CO2固定に向けた海水電解の条件
 4. 持続的なCO2固定のための電極開発
 おわりに

第4章 CO2の有効利用技術
第1節 CO2の利用技術概論
 1. カーボンリサイクル技術ロードマップ
 2. CO2分離回収貯留(CCS)
  2.1 CCSの概観
  2.2 CCSの事業とコスト
   2.2.1 事業コスト全体の概観
   2.2.2 輸送
   2.2.3 圧入・貯留・モニタリング
 3. CO2分離回収利用(CCU)
  3.1 エネルギー貯蔵技術としての水素およびカーボンリサイクル
  3.2 炭素のマテリアル利用産業
  3.3 水素とカーボンリサイクルメタンのコスト
  3.4 水素に依存しないCO2固定化法と負の排出技術

第2節 CO2の化学的利用技術とCO2直接利用の脂肪族ポリカーボネート製造技術
 はじめに
 1. CO2の化学的利用の代表例と工業規模での実施
 2. CO2の化学的利用のその他の例(開発途上にある化学変換手法も含む)
 3. CO2とエポキシドの共重合による脂肪族ポリカーボネート合成
  3.1 CO2とエポキシドの交互共重合(概略)
  3.2 CO2 - エポキシド交互共重合体(CO2由来脂肪族ポリカーボネート)の性質
  3.3 CO2 - エポキシド交互共重合体の工業規模での製造
  3.4 CO2 - エポキシド交互共重合体のガラス転移温度の向上をめざした研究
 おわりに

第3節 CO2を原料とする多孔性ハイブリッド材料の合成技術
 はじめに
 1. 多孔性金属錯体(MOF/PCP)
 2. ボロハイドライドを用いたCO2由来MOF合成
 3. アミンを用いたCO2由来MOF合成
 おわりに:CO2由来MOFの可能性と展望

第4節 超臨界二酸化炭素の利用:高分子高次構造の改質と高機能化
 はじめに
 1. 超臨界二酸化炭素(sc-CO2)
 2. sc-CO2を用いた高分子高次構造の改質
  2.1 CO2分離膜
  2.2 熱電変換材料
  2.3 太陽電池(正孔輸送材料)
 おわりに

第5節 CO2有効利用のための非在来型低温作動プロセス
 はじめに
 1. Cu-In2O3を用いたRWGS-CL
 2. 電場印加触媒によるメタンドライリフォーミング反応
 3. サバティエ反応
 おわりに

第6節 CO2資源化触媒プロセスの高効率・低コスト化に寄与するプラズマ科学
 1. はじめに
  1.1 プラズマ化学と低炭素技術
  1.2 プロセスプラズマの分類と応用
 2. 無触媒プラズマ技術
  2.1 CH4の熱プラズマ分解反応
  2.2 CO2の直接分解反応
 3. 触媒とプラズマの複合反応
  3.1 プラズマ触媒の反応装置
  3.2 触媒有効係数
  3.3 比投入エネルギーと効率
 4. 応用事例の紹介
  4.1 CH4/CO2改質反応
  4.2 流動層プラズマ反応
  4.3 CO2メタネーション反応
  4.4 オートメタネーション反応
 5. おわりに

第7節 人工光合成によるCO2有効利用技術の開発動向
 はじめに
 1. 人工光合成の原理
 2. 人工光合成の方法
 3. 最近の研究開発動向
  3.1 光触媒
  3.2 光電気化学
  3.3 CO2還元触媒
 おわりに

第8節 CO2の炭酸塩鉱物化による有効利用技術
 はじめに
 1. 原理と現状の課題
 2. 国内外の実証・実用化事例および研究の動向
 3. 今後の展望

第9節 施設園芸・植物工場におけるCO2施用技術と利用事例
 はじめに
 1. 施設園芸におけるCO2施用設備
  1.1 施設園芸用CO2発生装置によるCO2施用
  1.2 給湯器を利用したCO2施用
  1.3 LPG ボイラーの排気によるCO2施用
  1.4 液化炭酸ガスを利用したCO2施用
  1.5 暖房機排気CO2の貯蔵と施用
  1.6 送風設備
  1.7 制御装置
 2. 施設園芸におけるCO2施用方法
  2.1 換気時のゼロ濃度差施用法
  2.2 密閉時の高濃度施用と制御技術
 3. 大規模施設園芸・植物工場におけるCO2施用
  3.1 次世代施設園芸での施設設備とCO2利用
  3.2 佐賀市清掃工場での排熱・排CO2の再利用と,JA全農の「ゆめファーム全農プロジェクト」
 おわりに

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